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【連載】共に学び・活動する新しいフィランソロピーのコミュニティ vol.0

本連載では、世界のフィランソロピー・コミュニティにインタビューを行い、彼らの活動をひも解いていきます。

フィランソロピー・コミュニティとの出会い

2019年11月、数か月後にコロナという前代未聞のパンデミックが訪れ世界が一変するとはまだ誰も思っていなかった頃、アルゼンチンでのカンファレンスに参加した後、米国におけるフィランソロピー・アドバイザリーの調査でニューヨークに1週間のフィールド調査で訪れました。フィランソロピー・アドバイザリーについての調査が目的でしたが、調査を進める中で富裕層が参加するフィランソロピーのフィランソロピー・ サークルという、非常に面白い取り組みに出会ってから、その動きに注目してきました。

様々なフィランソロピー・コミュニティ

フィランソロピー・コミュニティは、参加者それぞれが関心のある課題領域について学び、自身のフィランソロピー活動について共有したり、場合によっては互いの協業可能性について模索する場です。コミュニティを通じて、フィランソロピーに関心のある方々に出会い、自身のフィランソロピー活動をオープンにする文化が生まれたり、他者の活動に触発されて正の連鎖が生まれる。 フィランソロピー・コミュニティという場で自分の活動をオープンにすることで、多角的に活動を捉え直したり深めたりすることが可能です。

フィランソロピー・コミュニティは世界に多数存在しますが、それぞれ特徴が異なります。資金提供(寄付だけでなく、社会的インパクトを目的とした投資)を目的に社会課題に取り組む団体に出会う事に重きを置くコミュニティ、自身のフィランソロピー戦略を考えるためのコミュニティ、ファミリーの歴史や活動のモチベーションを見つめ直すことに重きを置くコミュニティ、次世代(Next Generation)や女性など、参加者の属性特化型のコミュニティなど、フィランソロピー・コミュニティによって特徴や注力する方向性が異なります。

日本での展開の可能性は?

帰国後、アジアを含めた様々なフィランソロピー・コミュニティ団体にヒアリングをした際、必ずといっていいほど日本人の参加者はいないと言われました。また、日本人の方にお伺いしても、隠匿の美を重んじる日本にフィランソロピー・コミュニティは根付かないのではないかというご意見もいただきました。そもそもフィランソロピー・コミュニティというもの自体が日本に存在しないのは何故なのか、仮に存在したとしても果たしてこのような活動は日本に根付かないのでしょうか。

本連載は、世界のフィランソロピストのフィランソロピー・コミュニティにインタビューを行い、彼らの活動をひも解いていきます。活動を始めた背景、目的、活動内容、メンバー構成、サークルが生み出したインパクト等についてお伺いします。ここで取り上げるフィランソロピーはSIIFが推進する「新しいフィランソロピー」であり、寄付及びインパクト投資(財務的リターンと社会的インパクトの両方を目指す投資)を推進する団体の両方を取り上げます。

コミュニティを通じて、フィランソロピーに関心のある方々に出会い、自身のフィランソロピー活動をオープンにする文化が生まれたり、他者の活動に触発されて正の連鎖が生まれる。そんな動きが日本でも有機的に起こってほしいと思っていますし、日本にあった形で設計することで日本でフィランソロピー・コミュニティを定着させることはできるのではないかと考えています。海外の好事例に学びながら、日本ならではのフィランソロピー・コミュニティの形を検討していきたいと思います。

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