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2024年6月に小柴が米国のボストンとニューヨークを訪問し、いくつかの財団と面会しました。
そのなかでも特に印象に残ったフォード財団についてご紹介します。
フォード財団は、自動車メーカーのフォード社の創業者が設立した財団で、設立から約90年の歴史がある財団です。
設立当初から「社会福祉」を重要なキーワードに掲げていましたが、ここ10年ほど、「Social Justice (社会における正義)」を主軸とし、国内外で社会の不公正に立ち向かう取り組みを行っています。アメリカでは、まさにこの10年間、トランプ政権の誕生やBlack Lives Matterなど、格差や人種間・政治思想の対立が後を絶たず、Social Justiceの必要性を痛感する時代でした。
ほかにも、Darren Walker氏の就任後、「Office of Learning and Strategy (OSL)」が設立されました。
これにより、フォード財団は5年に一度の定期的な戦略見直しと毎年の事業活動の振り返りを、部署レベルだけでなく組織レベルで行う仕組みを導入しました。長年活動を展開しながらも進化し続ける財団として、常に自らの活動の成果を問い続けるという姿勢が大切な要素ではないかと思います。
最後に、数年前に今のフォード財団自社ビルを見学しましたが、素晴らしい建物でした。建物の中心は大きな吹き抜けとなっており、一階が植物園のようになっていてとても気持ちのよい空間です。オフィスフロアの壁には様々なアートが飾ってあり、写真のように考えさせられるセリフもありました。
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